Q&A

ノンフレーム工法とはどのような工法ですか?
ノンフレーム工法は、斜面の樹木などの植生がもつ斜面安定効果を活かしつつ、補強材と地山の相互作用によって、自然斜面全体の安定性を高める工法で、補強材、グラウト、支圧板、頭部連結材(ワイヤロープ)、によって構成されます。
工法の特長は、次のとおりです。
適用範囲は?
基本的には、すべり面の深さが4m以下の浅層すべりに適用し、現地の地形、地質等の調査によって適用の可否および計画範囲を決定することとなります。
詳細は、ノンフレーム工法設計・施工マニュアル(H26.4版)の適用範囲(p2~7)および、調査(p13~23)をご参照ください。
ノンフレーム工法は永久工法ですか?
以下のことから、永久工法といえます。
自穿孔ロックボルトを永久構造物として使用できますか?
自穿孔ロックボルトを永久構造物に使用している例は数多くありますが、ノンフレーム工法では、次のように施工品質の確保を図っています。
切土斜面への適用はできますか?
切土斜面でも適用できます。
この場合、中抜け防止および表層土の侵食・流出防止のために、緑化工等の併用が必要です。
崩壊斜面にも適用できますか?
適用できます。
ただし、切土斜面の場合と同様に、中抜け防止および表層土の侵食・流出防止のために、緑化工等の併用が必要です。
適用できる斜面勾配の範囲は?
一般的には30°~60°が適用範囲です。
なお、これ以上の急勾配でも、他工種との併用で適用可能な場合もあります。
中抜け防止は必要ですか?
ノンフレーム工法は、自然斜面の崩壊防止を目的としています。
自然斜面においては、樹木根系等による土砂崩壊防止機能があるため、これによって補強材間の中抜けは防止されていると考えられます。
なお、斜面内に植生の無い裸地がある場合や、切土斜面などの場合は、緑化工等の中抜け防止対策を講じる必要があります。
各部材は、どんな役割をするのですか?
ノンフレーム工法には、主に補強材、支圧板、ワイヤロープの3つの部材があり、次のような役割をもっています。
鉄筋挿入補強土工法とグラウンドアンカー工法との違いは?
鉄筋挿入補強土工法とグラウンドアンカー工法との違いを、以下に示します。
鉄筋挿入補強土工法 | グラウンドアンカー工法 | |
---|---|---|
構造 | のり面工、補強材から構成される。 | アンカー頭部、引張り部(自由長部)、アンカー体(定着部)から構成される。 |
構造概要図 | ![]() |
![]() |
適用範囲 | 一般的には深さ3m程度より浅いすべりに適用される。 | 一般的にはすべり面が深く、大きな抑止力が必要な場合に用いられる。 |
斜面安定効果 | 地山の変形に伴って、地山に挿入された補強材の引張補強力、せん断補強力および曲げ補強力の複合的な効果によって、不安定土塊の動きをある程度拘束して斜面の安定性を向上させる工法。 | アンカー体における定着地盤との摩擦や、支圧抵抗によって外力に抵抗するが、一般的にはプレストレスを与えて、アンカー体とアンカー頭部に挟まれた不安定土塊を締め付けて、不安定土塊の動きを拘束することによって、斜面の変形や崩壊を防止する工法。 |