Q&A

調査・計画

Q1

計画範囲の決定方法は?

A1

計画範囲の決定にあたっては、現況踏査による崩壊危険ブロックを検討する必要があります。踏査における危険ブロックは、次の事項を参考に検討します。

  1. 崩壊履歴のある斜面およびその周辺の斜面
  2. 遷急線が明瞭な斜面
  3. 湧水が見られる斜面
  4. 崩壊性の土質・岩質および地質構造を有する斜面
  5. 斜面上に道路、水路、池、沼等の土地利用がある斜面
  6. 裸地、草地、竹林、幼齢林など、植生が一定しない斜面
  7. 斜面形状が谷地形をなすような斜面
  8. 既設の崩壊防止対策工に異常が見られる斜面
  9. 断面形状が明瞭な凸状をなす斜面

なおこれらの項目についての詳細な調査方法や整理方法については、各基準・指針に記載されており、それらを参考にしてください。

  • 「新斜面崩壊防止工事の設計と実例(急傾斜地崩壊防止工事技術指針)」 p74~93
    国土交通省河川局砂防部監修 (社)全国治水砂防協会発行 平成19年9月
  • 「治山技術基準 解説 総則・山地治山編 」 p13~124
    林野庁監修 (社)日本治山治水協会発行 平成21年10月
  • 「山地災害危険地区調査要領」 p3~14
    林野庁 平成7年10月
  • 「道路土工 切土工・斜面安定工指針」 p45~73
    (社)日本道路協会 平成21年6月
Q2

どのような調査が必要ですか?

A2

本工法の適用にあたっては、地盤状況、植生状況、地下水、周辺環境等を十分に調査する必要があります。

調査内容を以下に示します。

調査項目 内容
地盤状況
  1. 岩盤区分、地山区分
  2. 予想される崩壊形態、すべり面、およびその強度
  3. グラウトと地盤との周面摩擦抵抗(表層部、定着部)
  4. 表層部の支持力と地盤反力係数
  5. 削孔時の施工性
  6. 斜面内変状状況
  7. 斜面崩壊履歴
植生状況
  1. 下層植生状況
  2. 樹種、林令、粗密度
  3. 枯損木の有無、位置
地下水状況
  1. 地下水位
  2. 水質
周辺環境
  1. 周辺環境(井戸水利用状況、住宅地と騒音振動、車両走行作業時間)
  2. 周辺の既説構造物、埋設物
  3. 自然環境
  4. 土地利用状況
  5. 電力、用水
  6. 周辺部の斜面状況
  7. 鋼材の腐食環境
Q3

表層部の保護は必要ですか?

A3

露岩箇所や崩壊跡地等、斜面表面の風化や降雨によって表層土の流出や中抜けが想定される場合は、緑化工(植生マット、厚層基材吹付工、等)、金網張り工等、現地の状況によって適切な工法との併用を検討してください。

Q4

3分~5分の急勾配での適用は可能ですか?

A4

自然斜面では、3分~5分の斜面のほとんどは、岩盤斜面です。
岩盤の風化により崩壊の危険性がある場合は、緑化工、金網張り工等を併用して適用した事例があります。

Q5

人工林での事例はありますか?

A5

いくつかの事例があります。

Q6

工期はどれくらいですか?

A6

施工条件、規模などによって異なりますが、「ノンフレーム工法標準積算資料」に基いて算出した一例を示します。
下表より、補強材290本(1,000m2)当たりの施工日数は、40日程度となります。
休日、祝日等を考慮すると2ヶ月程度の施工期間を要します。

≪作業工程 例≫ 
○施工規模  :補強材本数 290本(1,000m2)当たり
○土質と削孔長:砂質土(移動層)1.75m、軟岩(不動層)1.00m

(注)上記例の作業日数の算定は、下記の条件によって行なっています。

  1. 位置決め完了後、削孔を行ないます。
  2. 削孔と並行して足場工、注入工を行います。
  3. 削孔工~確認試験工は3班、足場工は1班、それ以外は2班での施工とします。
  4. 不稼働率は、別途算定することとします。
  5. 準備作業、後片付けは、含みません。
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